小さい頃、何故か金木犀の香りが好きでした。おぼろげな記憶の中、まだ東京に住んでた頃、団地に植えられた金木犀の木から小枝をとってきたのを覚えています。それを小皿に乗っけて食卓に飾ってたりして……。


でも今は何故かあまり金木犀は好きではない。どちらかといえば、まだ銀木犀のほうが抵抗ないのだけど、あの強い香りにむせ返ってしまう。なんだか自己主張が強すぎるのだよね。道端を歩いてても、金木犀の香りって一発でわかるし、どこに木があるのかついつい探してしまう自分がいる。「私はここにいるわよ！！　見つけてよ！！」っていわれてる気がして（笑）　あの香りがなければ控えめな感じで好感が持てるのになぁ。。。


年齢が変化すると、考えも嗜好も変化するものといいますが、まったく持ってそのとおりだと思います。昔は金木犀が好きだったし、自己主張の強い物や人に対して何も思わなかった。っていうか私自身自己主張が強かった気がする（苦笑）。どうしたって両親は妹たちの方に行ってしまうから。私を見てほしかったし、かまってほしかったし、ほめてもらいたかった。だからこそピアノを毎日練習して賞をとろうとがんばったりしてたのかもしれない。でも今は真逆の心境しか持ってないし、もてない。自己主張の強い者や人を見たとき、自己主張が強すぎると感じてしまいます。で、倦厭してしまう。同時に私もあまり自己主張をしたがらなくなってる気がします。だってすごくむなしいじゃない、それって。自己主張しなきゃ人に見てもらえないなんてさ。だから「自分は××で実は結構偉いのだからね」とかいちいち口頭で言ったりメールしたりする人を見ると、ちょっとかわいそうだなぁなんて思っちゃったりする。本当に偉いのなら、そんなこと言わなくてもみんなわかってるし、言う必要なんかないのにね。